どう選べば自分好みの日本酒に出会えるか
数え切れないほどの種類がある日本酒。その中でも好みの日本酒に効率的に出会いたい。あるいは人にオススメするのにどう言えば選びやすいかを知りたい。大丈夫。日本酒には、知らない銘柄でも大体の味がわかるポイントがあります。
この記事を書く理由
僕は2019年のはじめ頃まで日本酒は好きでしたが、全然詳しくはない人間でした。ですが、山形のアンテナショップ で働いていた時に、日本酒をお客さんにオススメするために多くの日本酒を飲み、知識も勉強しました。そして初心者が日本酒を選ぶ際には、こんな風に選んでいけば失敗しないだろうなというポイントが分かったので、シェアしようと思います。
細かく分けると奥が深くて難しいので、まずは大雑把に基本的な違いを知ることで選ぶ基準を作ることをゴールにします。
1:甘口辛口で選ぶ
前提として、華やか、ドライ、フルーティ、重厚など、人それぞれの感じ方に違いはあります。が、そうではなく数字で客観的にある程度の味を判断することができる指標があります。それが、日本酒度と酸度です。
日本酒度
お酒の中にどれだけのブドウ糖が含まれているかを表す数字です。マイナスの値が大きい方が甘口。プラスの値が大きい方が辛口ですっきりした味わいになります。
糖分が含まれている方が甘くなりそうなのに、プラスの方が辛口?というところで勘違いされやすいですが、この逆転は、糖分の測り方に原因があります。
具体的には、日本酒をシリンダーの中に入れて、その中にさらに日本酒度計という専用の比重計を入れます。水はブドウ糖より軽いためブドウ糖が多い方がメモリが上に上がるからです。
平均的な日本酒度は0.0~+5.0の範囲で、何十年も熟成された古酒で甘味の強いものだと-30度とか、-60度なんて数字になることもあるんですよ。
酸度
コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの酸の量を表すのが酸度。味のキレを表すので、数字が大きい方が辛口、小さい方が甘口です。
概ね0.5~3.0程度の数値で推移し、1.4~1.6を境にそれよりも大きければキレが鋭い辛口、小さければまろやかな甘口とされます。
甘口と辛口まとめ
日本酒度 → マイナスが甘い、プラスが辛い
酸度 → 数字が小さいほど甘い、大きい方が辛い
この数字はラベルに記載されていることもありますが、記載されていないことも多いです。店頭で買う場合は、店員さんに聞いてみましょう。また、もしウェブで買う場合でも、酒蔵さんに電話やメールで確認したら答えてくれますよ。
2:精米歩合で選ぶ
精米歩合(せいまいぶあい)とは、お米をどれだけ削って作られているかを表す数字です。
例えば、精米60%とは、40%を削って残りの60%のお米で作られています。勘違いしやすいですが、数字が少ない方が多く削られ、お米の芯の部分のみを使っているということ。そのため香りが強く、クリアな味になります。
とは言っても、精米の度合いが高い方が良いお酒というわけではありません。精米度合いが低い日本酒は、米本来の味が芳醇に出るお酒ということです。
この精米歩合が50%を超えると、「大吟醸酒」として扱われ、時間をかけて精米している分、基本的には、精米歩合の値が低くなればなるほど高価なお酒になります。
例えば山口県の有名な日本酒「獺祭」では、脅威の精米歩合23%という獺祭磨き二割三分という一本があります。さらにシリーズの最高級ランクには「獺祭 磨き その先へ」があり、精米歩合は非公表になっています。
精米歩合まとめ
精米歩合が高い日本酒 → フルーティで華やかな味
精米歩合が低い日本酒 → コクのある芳醇な味
アルコール度数も基準にできる
このように数字を基準に日本酒を選べば、飲んでことがない銘柄でもある程度の味を想定した上で選ぶことができます。また、他に僕個人の感じ方になりますが、アルコール度数も一つの基準にできると思います。
大体日本酒は15%前後のものが多いのですが、これは「日本酒(清酒)」と明記されているお酒の度数はすべて22度未満と決まっているからです。
およそ17〜18%だとアルコールを強めに感じると思います。軽く飲みやすいのが好みの場合は、15%程度の銘柄を選ぶとちょうど良いと思いますよ。
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